最強の餅

中途半端な文を辞めれる日がきますように

薯蕷

綺麗な言葉が好きだった。わたしも綺麗になりたかった。選んで飾って、そしたら魅力が半減した。わたしはわたしの意思で綺麗にしようとしていたのだとよくわからない罪悪感とともに打ちのめされた。本当は綺麗だったのに、わたしが見てあげなかったせいか、ごめんね。

 

どうにもこうにも手が絡められて、動かせなくなってから気づくのね。気づいていたけど触れないでいた。動かせるうちに剥ぎ取っておけば多少の痛みで済んだのに。甘えきれないから誰にも甘えることなく死を選んだ。自分だけは甘えても許してくれるから、どうせ自分の息が詰まるだけなら、それを回避するために甘えることが怖かった。

 

ずっと浅い自分に吐き気がするといいながら、少しずつ掘り進めていく気はさらさらなかった。センスに感銘を受ける度、自分のセンスのなさに驚いた。掻き集めてきた言葉で紡ぐ話では自分が満足できなくて、だってわたしはわたしがおもしろくないのを知っているから。1から100を作れる人なんて山ほどいるけど、0から1を作り出せるそこに憧れたの。その人たちにはベースのデータがあるとしても、そんなものない超人に憧れたの。言い回しもその視点も、ぜんぶぜんぶ綺麗でいいなあ。

 

忘れられない人って、その人が入ってくるからずっと残っているんだと思うの。恋愛と変わらない。そこに幻想を見るかその人を取り込んでしまうかの違いはあれど、自分の中に他人が他人てしている。不愉快って思いきれない自分のぺらさが不愉快だわ。人を惹くって、見ててわかる。それがどう人生に作用してきたかは立ち振る舞いでわかる。どうでもいいの、わたしはそちらにしか興味がないから。どうやったら手に入る?それ、どうやったらあなたになれる?惹く人が好きだったから惹く人に触れた、ただのガヤとして惹く人に惹かれた。わたしに飽きるのって変化のない低落生活だからじゃないのよ、それだったらどれだけよかったか。欠片で紡ぐ言葉に飽きて、つまんないのがバレちゃうの。

 

わたしの浅さに気づかないで、わたしに惹く人の真似事だと、気づかせないで